v e r β ( u n d e r _ r e n o v a t i o n )
[JP🇯🇵]”yuri”

名前は”yuri(ユーリ)”。soundcloud上に表れた新種のトラックメーカー。全体を包む穏やかなトーンを破滅的なリズムで蝕むようなその音楽は、修行僧が抱える煩悩のようであり、なぜかノスタルジックな響きを伴い僕の耳に届いた。気になったのでインタビューしてみたよ。

・簡単な自己紹介をお願いします。
y:トラックメーカーをしています、名前はyuri(ユーリ)といいます。好きな色はピンク、好きな食べ物は餃子です。

・住み/年齢/性別を教えてください。
y:…。

・餃子のどんなところが好きですか?
y:肉と野菜が炭水化物で包まれていて、食べやすく美味しいところです。食に求めうる全ての要素を満たしていると思います。


・音楽にハマったきっかけと作り始めたきっかけを教えてください。
y:ハマったきっかけは、6年前にUSのとあるバンドの作品を聴いたことです。私はすごく感情に乏しい人間なのですが、音楽が感情を誘導することに凄さを感じました。
そして、2年前に札幌出身の某トラックメーカーのEPを聴いて、電子的な音でもこんなに情緒的な音楽を作れることに衝撃を受け、それでDTMに興味を持ち音楽を作りはじめました。
曲作りは完全に気分と勘で行なっていますし、知識も持ち合わせておりませんので、正直こんなものを聴いていただいてもいいのだろうか、という気持ちになることもあります。曲の主題についてはインターネットや神道からインスピレーションを得ています。


・神道のどんなところにインスピレーションを受けるのですか?
y:よく神社を訪ねて、その際の印象を曲に落とし込もうとしたりしております。イデオロギーなどは関係なく、神道は日本人の潜在意識や行動様式に深い影響を与えていることを学びました。日本人に刺さる音楽を作りたくて、それで神道を意識しています。曲を聴いてくださる方に伝わるかは分かりませんが……。

・音楽を作るモチベーションはどこから来ていますか?
y:私は普段の生活の中で、なんとも生温い希死念慮というか、やさぐれた厭世などを感じてしまいます。烏滸がましいですが、音楽を作ることでそれらを昇華したり、あわよくば同じような感情を抱いている人に寄り添ったりできるようになりたいと考えています。


・”IRUY鮮魚店”とはyuriさんなのですか?
y:”IRUY鮮魚店”は、私のラッパー(?)名義です。最近曲に声をいれることが増えてきましたが、本職であるyuriはあくまでトラックメーカーですので、新たに名義を作ることにしました。初めて詞を乗せたのは’酸欠’です。気に入ったループができたものの少し物足りなかったため、試験的に声を入れてみたらなかなか楽しくて、公開した時の反応も良かったことで味をしめました。しかし、自分の納得する詞でしかやりたくないという気持ちから、いつもビートを作る時間の5倍くらいかかります。そしてひょっとしたら矛盾だと思われるかもしれませんが、そうして頑張って書いた詞が直接的に聴かれるのは気恥ずかしいため、意図的に聴き取りづらい加工をかけています。

・アーティストの手元を離れた時点で、作品は公共性を帯び聴き手の持つ”概念”という誤解の中で様々なイメージで共有されていく事に対して葛藤はありますか?
y:私は葛藤を感じません。むしろ好意的に捉えてすらいます。聴き手が楽しんでくれればそれで嬉しいですし、俯瞰すればその齟齬も作品を構成する要素だと言えるからです。自分の声に意図的に聴き取りづらい加工をしていると述べましたが、それにより詞を間違えられたとしてもそれはそれで面白いと思います。そんな状況を誘発しようという意図も僅かにあったりします。




・最近uamiさんがyuriさんの曲を再構築されましたが、音楽によるイメージのコミュニケーションにはどのような刺激を受けましたか?
y:uamiさんにこの場をお借りして再度感謝申し上げます……物凄い曲にしていただきました。印象的だったのは、uamiさんが’口渇’の「白い糖衣」と自身の「糖衣の弾丸」(原曲honninman’ポイフルやけ食い’)を掛けていたことです。構成や音色が異なること以上に、文脈の変化によって全く聴こえ方が変わっていて、興味深かったです。また、こうした音楽によるコミュニケーションに関しては、音楽そのものや音楽を作る人への温かみがすごく伝わってきて、私もこの気持ちを忘れたくないなと強く思いました。

・先日Ano(t)raksからのEP”二十一世紀の倫理”のリリースが告知されましたが作品や客演、ジャケットの魅力について軽くで良いので教えてください。
y:客演の方々とアートワークが本当に素晴らしいのでお話させてください。
客演は、玉名ラーメンさんと寝坊主さんにお願い致しました。私が云々やるよりも聴いていただいたほうがいいと思いますが、とにかくお2人は本当に素晴らしい才能を持っています。私が客演を依頼できたのは本当に幸福なことです。玉名ラーメンさんの曲で私が1番好きなのは”砂漠の中のビスケット”、寝坊主さんの曲で好きなのは”Fragile”です。絶対に聴いてください。お二人ともこれから更に活躍されること請け合いです。
アートワークは慢逝さんにお願いしました。特筆すべきはその鮮やかな色使いです。ぜひ彼女のツイッターで他のアートもチェックしてみてください。 作品全体については敢えて多くを語らないことにします。もちろん様々な方に聴いていただきたいですが、タイトルにあるとおり二十一世紀生まれの方に気に入っていただけたら本望です。よろしくお願い致します。

・今後の予定を教えてください。
y:5/xx(x)に都内某所にて開催される”某イベント”に出演させていただきます(告知が解禁されたら公開します)。やっていきます。

・ありがとうござました。(yuriさんもY.N.N.なんですね…)



Release info:
Artist:yuri
Title:二十一世紀の倫理”(ANO-053 / EP)
Featuring Artist: 玉名ラーメン@hibiningen/ 寝坊主@nebohzs1977
Artwork:慢逝@nai92_
Label:Ano(t)raks @anotraks



最後にyuriさんのDJ MIXを置いておきますね。

yuri
soundcloud:@riyuuuyu
twitter:@_y___u___r___i_

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